墨田区の魅力

世界屈指の巨大都市「東京」の中にありながら、今もなお江戸庶民文化と下町の風情を強く感じられる「墨田区」が注目を集めていることをご存知でしょうか。

墨田区の西側は隅田川、東を荒川と河川に挟まれていることが特徴で、面積は東京23区の中でも小さ目のおよそ14平方キロメートルではありますが錦糸公園を始めとして、大横川親水公園や向島百花園、旧安田庭園などの公園と緑がたくさんあるため、都内でも四季折々の自然に触れられることが魅力です。

現在でも昔ながらの文化が色濃く残っている下町情緒を感じることができる地域で、向島の花街文化や両国国技館の大相撲、江戸時代からの伝統を受け継ぐ職人の技やものづくりなど、下町の魅力が街のいたる所に溢れています。

その中でも最も有名なのが、例年7月の最終土曜日に行われる「隅田川花火大会」で、毎年8月に開催される江戸川区花火大会とともに、日本の記録に残る花火大会としては最も長い歴史を持つ「東京二代花火大会」として全国的に知られています。

元々は1732年の享保の大飢饉による多くの犠牲者の慰霊のために1733年に行われた水神祭において、両国橋付近から花火を打ち上げたことが始まりで、現在の名前になる以前は「両国の川開き」と呼ばれていました。

現在は毎年およそ2万発以上の花火が打ち上げられ100万人近い人々が見物に訪れる、夏の一大イベントとして人気を集めています。ここで気になるのが、区の名前が何故「隅田区」ではなく「墨田」区なのかと言うことです。

墨田区が誕生したのは1947年3月で、それまでにあった本所区と向島区が合併統合されてひとつの区となりました。始めはその立地条件から名前は「隅田区」が有力で、実際の地域住民も隅田区を希望していましたが、1946年に内閣告示された当用漢字表に「隅」の字が無かったため「隅田区」の採用が見送られたという経緯があります。

そこで「すみだ」の読みだけは変えないように、昔から広く人々に親しまれてきた隅田川の堤の通称である墨堤の「墨」の字を取って「墨田」区になりました。

さて、墨田区の魅力を語るために避けて通れないものが「東京スカイツリー」です。

高さ634メートルを誇る世界一高い自立式電波塔で、空に向かって延びる大きな木をイメージした作りとなっており、地上350メートルの位置に展望デッキ、450メートルの位置には展望回廊が設置され、展望回廊からは天気にめぐまれれば約75キロメートルの景色まで見ることができます。

周辺には東京のお土産やオリジナルグッズを購入できるショップや、水族館やプラネタリウムなどの観光スポットもあり、タワー見物と合わせて楽しめることから、大勢の観光客で賑わっています。

このスカイツリー登場を契機に、区では地域のブランド価値を確立する「すみだ地域ブランド戦略」構想を打ち出し、情報発信を含めて企業や産業、地域の活性化を進めることとしました。

商品部門と飲食店部門の2種類があり、認証された商品やメニューは総称して「すみだモダン」というブランドが付けられて「墨田のものづくり」をリードしていく存在となり、ブランド展示会などでその知名度アップに努めています。

このように、日本のみならず世界中から観光客が集まる人気エリアに成長した墨田区ですが、子育て支援サポートが充実していることや学校も多いことから生活するにもおすすめの地域で、犯罪件数も少なく東京23区の中でも治安が良いエリアとされているため、実際に人口も右肩上がりで推移しています。

東京の住みやすい街ランキングでも上位にランクインする魅力たっぷりの墨田区へ、是非一度足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

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