フローリングの基礎知識

部屋のイメージを決める要素として、壁紙や天井のクロスを気にする人が多いです。

しかし実際は、フローリングは常に視界に入っており、部屋のイメージに大きな影響を与えます。

したがって、家を建てたりリフォームしたりするときは、フローリングも含めて総合的に考えなければなりません。そこでポイントになるのはフローリングの種類を把握しておくことです。

そう言われてても、どのような種類があるのか見当がつかない場合もあるでしょう。

種類は構成によって大きく2つのタイプに分けられます。とりあえず、それを知っておくだけでも大きな方向性を決めるときに便利です。

無垢材

1つ目は単層の構成であり、無垢材と表現されるのが一般的となっています。天然の木を使って一枚の板に加工したものです。細かな特徴は木の種類によって違いますが、共通する特徴としては保湿性が高いことが挙げられます。

天然の木が原料なので空気の含有量が多いからです。これによって断熱性も高くなっています。また、これらの特徴は住空間の快適性を上げるのに大いに役立ちます。

たとえば、梅雨のような湿気が増すシーズンには、空気中の水分を大量に吸収してくれるのです。このおかげで上を歩いても足にべたつきを感じないで済みます。

逆に乾燥するシーズンには空気中に水分を放出してくれます。そのようなシーズンには静電気が発生しやすいですが、それを抑制する効果も少なくありません。

つまり、加湿器や除湿器の役割を果たしてくれるというわけです。機材を設置する手間や電気代もかからないというメリットもあります。

しかし、このメリットを永遠に享受できるわけではありません。湿度の影響によって反り返ってしまうケースもあるので要注意です。膨張と収縮を何度も反復することになるため、耐久性によってはそのような事態も起こりえます。反り返りを防止する特殊な加工が施されたフローリングも存在します。

複合フローリング

2点目は複層の構成のものであり、複合フローリングと呼ぶ人も多いです。こちらは文字通り複数の板を貼り合わせたものであり、1枚で作る無垢材とはまったく異なります。

ベースとなる合板などに見栄えを重視した化粧板を貼って仕上げるのが一般的です。そして、化粧板のバージョンによってさらに細かく分類されます。

たとえばシート型は、樹脂やペーパーのシートを表面に貼っていくものです。

このシートに木や石などのデザインが印刷されています。その仕組みにより、見た目にばらつきが生じないことが大きな特徴です。突き板型は薄く加工した天然の木を板として使ったものです。一般的には厚みのあるほうが木目のデザインが美しくなります。表面が天然の木なので無垢材と印象が似ていることも特徴の一つです。

挽き板型も天然の木を用いていますが、こちらはノコギリなどで切っているので、突き板型よりも厚みが増しています。質感がより無垢材に近づいている点が特徴的です。

フローリングの張り替え方法

フローリングの張り替え方法も2つあり、それぞれ手順や特徴が異なります。1つ目は重ね張りと呼ばれる方法で、従来のフローリングの上に重ねていくだけです。

したがって非常に簡単であり、手際よく進めれば短時間で終わらせられます。また、重ねることにより強度がアップすることもメリットの一つです。

ただし、重ねた分だけフローリングが高くなるので注意しましょう。ドアの開閉時に引っかかってしまうケースも見受けられます。2つ目は張り替えという方法で、古いフローリングを剥がしてから新しいものを貼っていきます。

この方法であれば高さは変わらないので、ドアのひっかかりなどの問題は発生しません。ただし、剥がしてから作業しなければならないため、施工に時間がかかります。

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